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藤原直哉先生
 

藤原直哉 先生

21世紀 中小企業経営者の条件
〜長引く不況といわれる時代を生き抜く〜



 藤原直哉先生の講演聴講と取材をする機会を得ましたので、その模様をダイジェストしてお伝えします。




[世界大恐慌の現状と今後]

  • 16年前、こんなこと(簿外の取引きが何と100兆円)は長く続かないと外資系の金融会社を辞め独立した。サブプライムローンなどは表面で、デリバティブなどとんでもなくこわいことをしている。損がこのまま増えていくと絶対元には戻らない。世界の金融をやり直すしかない。経済界の「年頭挨拶」で、後半には景気回復すると言っていたが、何の根拠もない。
  • 現在景気のいい会社、業績がよく信頼の厚い会社は90年代のバブル崩壊時に、もう元には戻らないと悟り、頭を切り替えた会社である。変化に対応するのがリーダーの役割である。変化に対応できないのが、公明党、自民党、マスコミだ。
  • 年が明けて新しい動きが出てきた。去年の損失で終わらず、底なしの状況を呈している。
  • アメリカは30年間無茶苦茶をしてきた。60年以上前、アメリカは太平洋戦争が終わって、工業国として貿易黒字で、投資するお金ももっていた。
  • 敗戦国であった日本、ドイツが工業化で20年で追いついた。設備も何もない中で日本はなぜ20年で追いつけたか。
  • 何もないから熟練の技術でがんばった。社長自らカバンに製品を入れて世界へ売りに出かけた。とにかく、走り回って新しい注文を取ってくること。
  • アメリカは70年代に産業立て直しをやろうかという話があったが、銀行が協力しなかった。産業をやめよう、保護政策をやめよう、株をもてばいいという方向に行った。

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  • 80年代のレーガンの時代に、リストラの嵐が吹いた。これからは働く時代からオーナーシップ(株の所有者)の時代であるという風潮になっていった。
  • ITバブル崩壊ののち、今度は住宅だとなった。アメリカは本来住宅バブルはなく、住宅は必ず値上がりしてきた。仕事やお金がないから、家を購入し、値上がり益で2番抵当をつけて生活できるようにしようとなった。
  • ローンを貸すほうも、返済能力がなくてもサブプライムで貸し出した。ところが有り得ないことが起こった。家の価格が下がり始め、ローンの破たんが連鎖して起こっていった。投資銀行がなくなり、借金ができなくなり、したがって耐久消費物が買えなくなった。
  • 船や、鉄、石油なども大暴落。アメリカの、無謀な借金国によりかかっていた先進国、新興国、資源国全部が打撃を受けているのが現在。


[勝ち残る企業の経営方針]

  • 一番悪いのはもう一回需要がある(景気が良くなる)と思って何もしないこと。次に“とにかく頑張る”という会社。(目標もなく)働いている人が大変かわいそうだ。
  • 売上が半分になっているわけだから、知恵がいる。
  • 戦後の日本も、軍需産業が忽然とマーケットから消えたとき、(自前の強みである技術を)いったんバラバラにして、その技術で他のものをつくり、新しいマーケットに売っていった。社長自らカバンに詰めて売り歩いた。
  • 今も同じで、全く新しい経済に自分で泳いでいくしかない。
  • 銀行に公的資本が入ると、貸し渋り、貸しはがしが起こる。
  • ひどい場所にいないこと。直ちに逃げることだ。
  • 今は国家が追い詰められてきた。国家破綻は時々あること。時々あることに生き残れるかどうかだ。


[分水嶺としての2009年]

  • オバマはすごい政権だ。ものすごい行動力のチーム。就任翌日から、テロ容疑者への拷問などで非難を浴びていたグアンタナモ捕虜収容所閉鎖の大統領令を発令したり、諸々ブッシュとの政策転換を打ち出している。
  • 強いドル高政策を進めないようだ。クリントンはドル高政策だった。ドル安政策で、雇用の確保を優先課題としている。ますます激しい円高になると予想される。ドル安円高で、保護貿易を取り、日本は輸出で食べるのはむずかしくなる。
  • アメリカはもう赤字をつくれない。アメリカはもう輸入できない。従って日本は輸出できない。
  • 日本は1982年から黒字が貯まりだした。しかし、貿易黒字は縮小している。配当や利子、特許による黒字がまだあるが、もうそろそろ底をつく。
  • 現状維持はもうない。バイタリティと独創性で、「一手30秒」の行動をしないと、次の30秒がない。しかし、これを繰り返すことで、結果としていい国になる。
  • 円高は、どこまで行くかというとドルの売り注文が止まるまでいく。
  • 金は5000年前から、究極の通貨である。常時の通貨でもある。非常状態になった人は金と古典絵画を売る。金は売る人買う人がたくさんいる。上がれば売られ、下がれば買われる。需要が追い付かない。3〜5年たったらすごい財産になる。
  • 中国は持たないのではないか。どの国でもバブル崩壊すると政権が変わるが、中国は一党独裁なので、交代できない。すると暴動→国家権力の行使という図式になる。20年分の膿がたまっている。
  • ひずみをとらないと、次の政治ができない。中国は人口が20億人と言われる。7億人サバ読んでいる。農村部の人口拡大が止まらない。子どもは農作業の道具とみなされている。そういう国にいってもなかなか伸びない。
  • 信号を見て判断するのではなく、車をみて渡るか否か決めることして欲しい。基本的にみな赤信号だ。政治家、役人、金融専門家の言ったようにした人がどうなったか。日本企業は、一時期安い人件費や販路を求めて海外へ出て行ったが、今度は戻ってくる。輸出に頼っているところはダメ。考え直さなければいけない。
  • オバマは保護主義をとる。ブッシュの責任を追及するだろう。
  • さぁ、どうすればよいか。輸出依存、量の拡大の時代はもう来ない。デリバディブのような複雑な金融もムリ。
  • 30年前に戻る。世界中がライフスタイルが均一化された。30年前はもっとそれぞれの場所がもっと個性的ではなかったろうか。
  • 今調子いい会社はマイナーな会社。中小零細、目立たないところだ。
  • 今「品質の時代」がもう1回来ている。品質とは、一番高いものではない。
  • 品質とはそのお客様に一番合ったもの。そのお客様に誂(あつら)える実力。誂えたものが品質。世界一の商品があるとすれば10通りの世界一がある。不特定多数というお客様は通用しない。一人のお客様(不特定⇒特定)から始まる時代。誂える力を持っているところは自由自在。1人からファンをつくっていく。商品を使うお客様のイメージをつかむ。
  • エネルギー、バイタリティ、実行力が必要。やり方がわからなくなったら、かばんを持ってお客様を歩く。これが最初の一歩、最初のコミュニケーション。お客様に出向く。
  • この1年はザバイバルだ。たくましく生きなければならない時代。待っていたらダメ。世の中みんな動いている。新しい商品が始まりやすい。
  • 大混乱だが新しい時代ができる。選挙をやればやるほどよくなる。国民はそんなに馬鹿じゃない。
  • 技術力、発想力、ビジョン、リーダーシップなど、形に見えない、目に見えないものがとても重要。


[今年のキーワード]キーワード 解

  • 解決の解であり、わかるの意味。こうなって初めてわかることがたくさんある。
  • これからは人間関係。何ができるかより、誰を知っているかが大事。いい人間関係から仕事が生まれていく。
  • 新しい時代が始まっている。新しい時代の中核になっていく。
  • 今、何もしないと闇になっていく。ゲリラ的に社長自らが歩く。


[講演後の取材で]
質問:著書「ロハスでよみがえる日本再生プログラム」や「ロハス夢工房」などで、新しい時代をつくるキーワードとして「ロハス」を取り上げているが、「経営とロハス」について考えをお知らせください。

藤原先生:気持ちが改まればこれからうまくいく。大難を小難にするのが我々の努力です。
 ロハスな時代を前提にしないと新しい経営もイメージできません。少ないエネルギーで生活をしていく。大量生産を求めない健康な経営を探るのが20世紀と違う特徴です。
 これから自然とロハスな経営になっていくでしょう。必ずしも田んぼや畑だけでなく、少ないエネルギーで生活することが必要な経営です。食料自給率も上げなければなりません。輸入品が高騰していくので、国内で作るようになります。畑も田んぼも作りなおしです。
 一度清算するのが今です。

■講演をお聞きし、取材を終えて
 マイナス発想をすることなく、他者を批判したりすることなく、徒に危機をあおったりすることなく、包み込みの思想はとても共感を誘う講演でした。有難うございました。そこには、ともにいい世の中を作っていこうという意志と、大かれ小なかれ危機に直面する経営者に対して、道を示し、励まそうとする深い愛情を感じました。
 藤原先生は、著書「ロハス夢工房」で、「日本という社会は、誰もが感覚的におかしいと感じて行動に移したとき、大きく変わるのです。」(本文67P)と著わしていますが、進む道を見い出せずにいる経営者も、ロハスの視点からわが社を見直した時に、感ずるものがあるかもしれません。
 次回は、藤原先生が提言しておられる「インベストメントバンク」(投資銀行)の設立について、詳細をお伺いしたいと思います。(編集部・記)

 

 

藤原直哉プロフィール

 1960年生まれ。東京大学経済学部卒業。住友電気工業株式会社入社後、経済企画庁経済研究所に出向し、国内外の短期経済予測および計量経済分析の信頼性向上のための研究に従事。1987年ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社入社。その後独立し経済アナリストとして活躍また東海大学で15年間にわたり基礎数学や国際金融論を講義。現在シンクタンク藤原事務所所長を務める傍ら、特定非営利活動法人日本再生プログラム推進フォーラム理事、NHKラジオ第1放送ビジネス展望レギュラー出演、ワシントン大学経営大学院キー・パートナーなどを兼務している。
 神奈川県小田原市にシンクタンク藤原事務所を移転し、全国各地で藤原学校、藤原塾を運営して時事問題、リーダーシップ、カウンセリングや傾聴、英語に関する情報発信、研修を行う一方、小田原市内の里山で教育用の田畑を耕作。さらに大学生や社会人を対象に、就職・転職のコーチングも行っている。
 2007年には、ロハスな暮らしを体感してもらう“最前線”として、長野県飯田市の遠山郷に「遠山藤原学校」を開校した。

 

藤原直哉関連ホームページ

シンクタンク藤原事務所 http://www.fujiwaraoffice.co.jp
藤原直哉のインターネット放送局 http://naoyafujiwara.cocolog-nifty.com/ipodcasting/
藤原塾 http://www.fujiwara-jyuku.com/index.php


藤原直哉関連著書

 


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